街道をゆく (16) (朝日文芸文庫 (...

- 朝日新聞社 価格 ¥ 420
home書籍CDDVDゲームソフトウェア家電キッチンおもちゃ・趣味
街道をゆく (16) (朝日文芸文庫 (し1-17))


朝日新聞社

価格(new/used): 420 円 / 1 円 より
発売日: (1985-07) アマゾン売上ランキング: 10295 位
文庫 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

司馬遼太郎氏が捉えた、最澄、円仁、そして織田信長の比叡山焼討
「街道をゆく」シリーズの魅力は空間的な紀行文であるだけでなく、司馬遼太郎氏が歴史を語る時間的な紀行文でもあることだが、本書でもその特徴は発揮されている。比叡山は最澄がそこに修行のため篭ったことから仏教の聖地となったが、その最澄の生い立ちから司馬氏は筆を運ぶ。青年最澄が自らの決意を詠んだ歌を紹介した「わが立つ杣」の章は特に胸にじんと来る。最澄の仏性論の展開は会津の僧・特一との論争で磨かれたが、そのことは「街道をゆくシリーズ」では街道をゆく〈33〉奥州白河・会津のみち、赤坂散歩 (朝日文芸文庫)に詳しく書かれているので、是非そちらも読むことを薦める。司馬氏の筆はさらに最澄の弟子円仁の入唐と天台教学の完成(密教部門の整備)に及ぶ。最澄はその意志を継ぐ優秀な弟子に恵まれたものだ。その円仁の唐での足跡まで詳しく語る司馬氏の研究熱心・博識ぶりには頭が下がる。その最澄が政治と結びつきすぎた南都仏教と縁を切り、新鮮な学問、求道の場とした叡山が、都が京都に移ったことから徐々に政治と結びつくようになり、遂には多くの僧兵をかかえて一大軍事集団の基地になってしまったのは歴史の大いなる皮肉。遂に信長の焼討によって牙を抜かれる訳だが、明智光秀と木下藤吉郎の作戦遂行の徹底ぶりの差が2人の性格の差を物語っていて面白い。

このように歴史散歩としても秀逸な本だが、筆者は比叡山周辺の様々な所を訪ね、最後に法華大会を取材する。地理的紀行文としても優れた本であり、「街道をゆく」シリーズの中でも傑出した作品だと私は思う。
最高の比叡山ガイド
 
半分ほど読んでから比叡山に出掛け、
帰ってから残りを読みました。

比叡山延暦寺というところが
どういう所なのか非常によく理解できました。

延暦寺の建物は琵琶湖を望む稜線の東側に建っている
という記述があり、実際その通りでした。
なぜそうなのか、西側に建てられた建物は何なのか、
それは読んでのお楽しみですが、
こんなことはいくら他のガイドブックをひっくり返しても
書かれてはいません。
こういう知識を与えてくれるので司馬遼太郎の本はやめられない。

比叡山参拝を考えられている方はぜひご一読を。 
 

比叡山の空気を吸ってみたくなりました
比叡山とそこに至る諸道についての紀行文です。「街道をゆく」のどの巻を手に取るかは色々なきっかけがあると思いますが、学生時代に比叡山の麓にある坂本までアルバイトに行っていたことから、手に取りました。

坂本を初めとする比叡山に至る諸道についての紀行文も面白いのですが、今回の白眉は一般人が見ることができない、四年に一度だけ比叡山で行われる「法華大会」に著者の友達が出ることから、それを目にし、おそらく日本史上初めて記録がなされた所ではないでしょうか。また、「法華大会」や「千日開峯」に代表される比叡山における僧侶の生活は、最澄からつらなる「宗教山」としての独特の気高い雰囲気が感じられました。
一度、自分でもその気高い雰囲気に触れてみたいと思わせる1冊でした。