街道をゆく (7) (朝日文芸文庫)

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街道をゆく (7) (朝日文芸文庫)


朝日新聞社

価格(new/used): 546 円 / 89 円 より
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 5件

技術、人、歴史を暖かい筆致で綴った名品
司馬氏が様々なテーマを持ちながら各地を彷徨する中、
そこで出会う人、同道する人、その中で思索する事柄、
それぞれを愛情一杯に表現される、珠玉の随筆の中でも
特筆に価する一冊ではないでしょうか。

今回は、「築城」「漁業」「鉄」ですが、

「砂鉄のみち」では、日本と朝鮮・中国との関係から、
悠久の仕事人の歴史を、

「甲賀・伊賀のみち」では戦乱期の築城の妙、それと主従を
超越した侠気が「忍者」にあった逸話(冒頭の須田画伯の
やりとりは、特に秀逸、愛情あふれる暖かい文面です)、

「淡路」を読み進める中では、漁業という、自然のチカラと
絶えず戦い続ける男達の歴史、温かさを伝えつつ、彼らを
見守る松並木がマツクイムシにヤラレ続ける姿を、漁業の
衰退と重ねつつ、現代社会が失いつつある美点についての
警鐘としても感じられます。

かれこれ20年以上も前の旅であり、思索ではありますが、
現代社会に対しては、引き続き鋭く突きつけられる問題提起
が数多く散りばめられており、現代でも読む価値のある、
そんなシリーズではないでしょうか。
過去に積み上げてきたものの重さに触れた1冊
友人のを借りました。

これまで僕は、過去に積み上げてきたものを疎かにすることなく、しかし、さらなるイノベーティブに考える、ということを念頭に置いてきましたが、「過去に積み上げてきたもの」の一部をのめりこんで知ることができました。やはり尊ぶべき。

加えて、司馬調は良い。
鉄と古代
 この本では特に、淡路みちの漁民に対する考察と、砂鉄のみちの古代の製鉄集団に対する考察が面白かったです。
 漁民は、個人の力で食べられる分だけの魚が取れれば時の支配者におもねる必要もないので、身分制度からは外れていたという話。
 鉄をつくるタタラの遺跡は残っていても、伝説などは一切残っていないという幻のような製鉄の従事者たちの話。
 古代から農作物が富の基本と思い込んでいた私にはとても新鮮な本でした。
「技術」について訪ねた興味深い1巻です
「街道をゆく」シリーズは、しばしばある大きなテーマを持って旅されることがありますが、今回は、築城、漁業、製鉄等の「技術をもった人々」あるいは「技術を使った(使っている)場所」を訪ねる巻といえるでしょうか。

著者は時に司馬史観といわれるユニークな見方でも有名ですが、この巻でも「朝鮮では鉄器の不足が農業生産力を飛躍させず、商品経済を成立せしめなかったからこそ500年の儒教国家がゆるがなかったのではないか」といった独自の考えが随所に展開され、知的刺激が味わえます。

また、著者は自分の愛する人どもへの暖かいペンでも有名ですが、技術をもった名もなき人どもへ向ける眼差しは暖かく、文章には味わい深いものがあります。
多くの「街道をゆく」シリーズの中でも、非常に興味深い1巻だと思います。

シリーズ中、最も面白いのでは・・・
シリーズ7冊目。
私は1~10冊を一度に買い込み順じ読みすすめていますが、今のところ一押しだと思います。
学生時代に自分が行ったことがあるからというのも理由の一つかもしれませんが。
しかし、それはホンノ一部です。
しかも、著者の博識と洞察には遠く及ばないものですから本当の意味では理由にならないでしょう。

面白い、本当に興味深い内容です。
もう一度、私も行ってみたいと思っています。
今度は司馬さんと共に。