街道をゆく (1) (朝日文芸文庫)

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街道をゆく (1) (朝日文芸文庫)


朝日新聞社

価格(new/used): 525 円 / 1 円 より
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吉田稔麿がつないだ信
長州路への司馬氏の思い入れが印象に残ります。

怜悧と言われ、計算高い、とされた幕末の長州藩。吉田稔麿の項で、司馬氏は率直に彼が好きだ、と述べています。彼は新撰組に襲撃された池田屋事件で、一度は逃げおおせたもの、長州藩邸から彼は池田屋に舞い戻り、憤死を遂げます(元々、池田屋にはいなかった。後から藩邸から駆けつけたという説もある)。彼が池田屋に戻るべき積極的理由はなく、現にそのまま生きおおせた同志もいたにも関わらず - 彼はまず間違いなく、同志を見殺しするに忍びず、躊躇なく死地を選んだようです。司馬氏は長州藩を維新の雄藩に引き上げたものは、吉田稔麿という高杉晋作や久坂玄瑞と松下村塾で並び称された一藩士の志であり、こうしたマインドこそが長州藩と諸藩との信を繋いだのだ、と述べています。

余談ですが、司馬氏は、久坂玄瑞は吉田松陰に松下村塾随一と評されたが、その資質はいささか疑問、と言っています。高杉晋作や木戸孝允は人を安易に殺したりはしなかった、久坂は「天誅だ!」と人を殺めたことがある、やや軽率なところがあったのではないか、と述べています。

こうした人間模様を描きながらの長州路に思いをつのらせる人も多いと思います。
記念すべきシリーズ第1作です
「街道をゆく」シリーズの第一巻です。こういったシリーズものを読む場合、丹念に、第一巻から読まれる方もあると思いますが、無精者のせいか、「自分の住んでいるところ」「行ったところ」「興味のあるところ」から読んでいたら、かなり、後になって読むことになってしまいました。後、もう一点、後回しになった理由として付け加えるとすれば、最初の方は、やや、文章も硬かったよなあという薄らかな記憶から、遠ざけていたことがあります。
ところが、読んでみると、「目の前にあることどもから、氏の思索が縦横無尽にかけめぐる」「同行者についての著者の暖かな眼差しがある」、そして、「氏の名文」というこのシリーズの特徴は、既に、この1作目から発揮されていることがわかりました。というよりも、数多いシリーズ作品の中でも、かなり上位の面白さを持った1冊でした。今回も楽しませて頂きました。
司馬さんの後をついていこう!
旅する時に、こんな味わいを持ちながら歩き回れたらどんなに楽しいだろう。
司馬さんの後をついて旅していきたいと思いました。
街道を歩きながら縦横無尽に時代を飛び越えてゆく発想は、文化そのものである。
旅をしながらこういう思索に耽ることが出来るほど教養を持ちたいものだ。そして文中でも語っているが、感動できる魂を残したままに。
ふと旅に出たくなります。
司馬遼太郎のライフワーク第一巻です。 その豊富な知識と、著者独特の爽やかな文章を読んでいると、旅に出たくなります。 ありきたりの内容である市販のガイドブックを買うくらいなら、「街道をゆく」を買う方が、良い旅を経験することができると思います。