けさの鳥

田中 光常 - 朝日新聞社 価格 ¥ 2,100
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けさの鳥

田中 光常
朝日新聞社

価格(new/used): 2,100 円 / 846 円 より
発売日: (2004-10-15) アマゾン売上ランキング: 242161 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 6件

もうちょい工夫を
殺伐とした新聞一面にあって、コラムとしての「けさの鳥」はまさに、荒涼とした大地に生える一輪の花、といった趣があった。小さなカラー写真に、飾らない簡素な文章を添えただけのコラムでも、そこは心休まる空間だった。

ただ、こうして一冊の本にしてしまうと、物足りなさは否めない。
○写真の質は一般の写真図鑑に比べればはっきり劣る。
○文章の文字数がつねに一定なのがアダとなって、読み物として単調なものになってしまっている。
この2点が気になる。

書き下ろしで長めのエッセイでも織りこんでもらえれば、リズムの変化とともに新鮮味も得られたかもしれない。さもなくば、「新聞のスクラップを集めた」というテイストを素直に表現した方が良かっただろう。私が残念に思ったのは、特にその部分だったから。

編集に、もうちょっと工夫が欲しいな、と思う。
ボリュームたっぷり
朝日新聞のコラムでは、花おりおりが次々と単行本化され、「花はいいから
かわいいけさの鳥を本にしてほしい」と歯がゆく思っていた。
そして待望の出版である。表紙の鳥がかわいい!とまっている花もバナナの
ようでおもしろい。即購入である。
水辺、里など、住みかで大まかに分けて、333種もの鳥を紹介していく。
すべての鳥について美しいカラー写真と、文章とがつけられている。
文章は、コラムなので短いが、色や分布、渡り、大きさ、鳴き声、繁殖
などに関する図鑑的解説を中心に、ときおりエッセイ的な、文学的文章も
織り交ぜたもの。
気軽に読める本だが、じっくり読んでみると、なにしろ333種も紹介されているので
意外とボリュームたっぷりの本だった。巻末に索引および分類表つき。
普段暮らしているなかでは、土鳩、山鳩、カラス、スズメ、ツバメくらいしか
目にすることがないので、こんなにたくさんの鳥が日本に住んでいる
(あるいは日本を訪れる)ことを知って驚いた。羽の色が8色もある鳥もいて、
こんなに細かい色分けがあるなんて、と遺伝子レベルに思いをはせたりした。
少し高いが、これだけきれいな写真がたっぷりで、しかもハードカバーなのだから
仕方ない。手軽な鳥図鑑としても使える便利な本。
手軽ながら文学的にトリを知る
 朝日新聞に連載されていた時から注目していましたが、写真をあしらい直したり、カテゴライズを組み直したりしていてよい。
 短文ながら面白い読み物が添えられた野鳥写真は秀逸。トリに特に興味がなくても、十分楽しめる本です。
そろそろ鳥図鑑的発想から抜け出してほしいが
バードウオッチングといっても、動きの早い鳥を認識して観察するのは一苦労。いろんな図鑑を見ていると、だんだんイメージが出来てきますが、それでも生き物たるもの、立体なわけですから、3D的写真、または図があってもしかるべきでしょう。本コラムは毎朝見るところに趣が合ったようで、こうして一冊になると何となく味気ないものとなってしまう気もします。
写真の美、解説の名文。珠玉の鳥類譜
本書は図鑑でも専門書でも写真集でもないが、写真は美しく、またとりわけ解説は簡にして要を得ており、さながら一編のエッセイのようである。鳥たちの姿はもとより、私は解説の見事さに脱帽した。これ以上は凝縮できない名文。新聞掲載時から一冊の本にまとめられるのを心待ちにしていたが、ようやくにして願いが叶った。すばらしい本である。

本書掲載のうち、少なからぬ種が急激に数を減らしており、いくつかは絶滅の危機に瀕しているらしい。この「空飛ぶ珠玉」たちが人類と共存していくには、明らかにわれわれの側の譲歩が必要である。最後に掲載されているミヤコショウビンの悲劇を、人類は今後二度と繰り返してはならないのではないか。