![]() |
ハイデガー『存在と時間』の構築 (岩波現... |
| 木田 元 - 岩波書店 価格 ¥ 1,050 | |
| home|書籍|CD|DVD|ゲーム|ソフトウェア|家電|キッチン|おもちゃ・趣味 |
![]() |
ハイデガー『存在と時間』の構築 (岩波現代文庫―学術)木田 元 岩波書店 価格(new/used): 1,050 円 / 700 円 より 発売日: (2000-01) アマゾン売上ランキング: 16239 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 6件 おのれを時間化する働きによって現在・過去・未来という時間の次元が開かれ、世界というシンボル体系が構築される『存在と時間』が完成されていたらどのような本になっていたのか、というのを木田先生が想像して再構成したといいますか、1927年にマ−ルブルク大学で行なった講義『現象学の根本問題』を元に、バラバラになったパーツを組み直してみました、という感じの本。 実存哲学だと思われている『存在と時間』は、実は『存在論史』のような哲学史の本で、西洋哲学そのものである形而上学的思考の限界を書きたかったのではないかみたいな感じで、ひっかかりまくっていた「現存在」とか「世界内存在」とか「存在了解」という概念が生物学的な知見から来ているということを木田先生何回も書いてくれたおかげで、なんとか引き寄せて理解できるようになっただけでもありがたいですが、この本では「時間性」に関しても木田先生流の理解ができるようになったと思います。例えば、《時間性は本来的にも生起する。第一章でも見たように、おのれの本来的な全体存在可能を気にかける現存在にあっては、将来はおのれの死への「先駆的覚悟性」として、既存おのれの事実的被投性の反復として、そして現在はおのれの置かれた歴史的状況を豁然と直視する「瞬間」として生起する。ここでは、将来・既存・現在という脱自態が緊密に連関しあい、将来が圧倒的な優位に立つ》みたいなところ。 哲学史家ハイデガーハイデガーを哲学者という以上に何世紀に一人という哲学史家と評価する筆者は、未完にして失敗に終わった「存在と時間」に対し西洋哲学史全般の分析を共有しながら壮大な見取り図から未完に終わった部分の再構築を試みる。 あまりに精密かつ専門的なので理解できないところも多いが、かつてアリストテレスが再構築されて哲学史の礎となったであろうプロセスを再現するような興奮がある。 哲学史家としてのハイデガー木田元は本書のほかにも,『ハイデガーの思想』『ハイデガー』と合わせて3冊のハイデガーを主題的に扱った著作を出しているが,いずれも,『存在と時間』の書かれなかった部分に焦点を当てている.本書はその集大成といったところか.まあ,他の本と記述がまるまるかぶっている箇所もあるが,それは仕方がないことだろう.ハイデガー解説本は巷間にあふれているが,類書が何かと「神秘,神秘」と騒ぎ立てる中,彼のクールな解説は個人的には好きである.それは,私も,実存哲学者としてのハイデガーや後期のなぞめいたハイデガーよりも,大胆な哲学史家としてのハイデガーにより惹かれるからであろう. かなりの名著だと思う当初の計画の3分の1しか刊行されなかった『存在と時間』の、既刊部をまず概説し、続いて未刊部を「再構築」するという野心的な試み。 その再構築の過程で、『存在と時間』が未完成であるのみならず“失敗作”でもあるということが明るみに出されます。 そして最終章では、『存在と時間』の誤りに気づいて修正されたハイデガーの後期思想が、大雑把にではありますがじつに分かりやすく要約されています。 『存在と時間』以後の文献を手がかりに未刊部を再現してみせる著者の手際はきわめて鮮やかで、読者に「何もかも分かった!!」という気にさせてくれる本ですね。(もちろん、分かった気になるだけではダメですが。) 『存在と時間』に挫折させられた経験のある人は、ぜひ読んでみるべきでしょう。『存在と時間』が、「世界一難解な哲学書」でも「世界一偉大な哲学書」でもなくなります(笑) さらに、それでいてなお「ハイデガーが偉大な哲学者であることには変わりないのだ」ということが、後期ハイデガー思想を概説する最終章を読むことで納得できる。 ハイデガーの入門書としては抜群の内容ではないでしょうか。 ハイデガー思想の原点を知るために20世紀を代表する哲学者のひとりハイデガ-。未完かつ矛盾に満ちた失敗作と言われながらも、同時代およびその後の思想界に圧倒的な影響を及ぼしたその主著『存在と時間』の成立過程を鮮やかに描き出した力作。1927年夏学期に、マ-ルブルク大学で行なった講義「現象学の根本問題」をアリアドネの糸にしながら、『存在と時間』の構成を丹念に推理・分析してゆくその手法は、さながら一篇のミステリ-を読み解いてゆくようなスリリングな興奮を喚起する。すでに『存在と時間』を読破した人はもちろん、これから同書を読んでみようと思っている人も、一読すべき名著だと思う。とにかく面白く、有意義な著作だ! |