児童虐待―現場からの提言 (岩波新書)

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児童虐待―現場からの提言 (岩波新書)


岩波書店

価格(new/used): 777 円 / 393 円 より
発売日: (2006-08) アマゾン売上ランキング: 7134 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 7件

全ての福祉問題の根底には貧困が横たわっている
 戦後60年を経て、我々は未だに貧困問題を解決できないばかりか、むしろ格差が拡大していることをどのように考えるべきなのか。筆者の投げかける問いの重さに呻吟するばかりである。
 さらに、公務員の世界における福祉担当者の地位の低さを思うと、この闇の明けるときがくるのだろうかと考えさせられた。  
的確な現状認識なくして解決はあり得ない
現役児童福祉司(京都府宇治児童相談所)による児童虐待の現状について書かれた絶好の書。

児童虐待問題は児童にとどまらず家庭全体の問題であることが往々にしてあり、その解決がない限り児童虐待の解決とは言えません。また、家族の分離と再統合という、相反する役割を児童相談所というひとつの機関が担わされている現状は、とくに再統合について児童相談所が行なうことを困難にしています。また、現状では児童相談所の強権が行政の判断のみで行使できてしまい、私権の保護のあり方として適当ではありません。そうした現状を踏まえた上で解決策として児童相談職員の大幅な増員と司法の介入を著者は提言しています。

明快な論理で現状と解決策までが展望できました。
餓死事件をどう考えるのかな
この本を読んで、日本の福祉の貧しさを知りました。幼い子どもたちや幼い子どもたちを大変な思いで育てている家庭を無視して発展してきたのが日本の実情ですよね。
でも、この本が出されて起きてしまった、同じ京都の児童相談所の著者が、3歳児の虐待事件をどう考えるか是非とも次の本で読みたいと思いました。
実態がよくわかる
児童相談所の現場のプロが書いた本。現場で苦しむ子供、虐待する親、関係者の姿が生々しく描写されている。「桁違い」にお粗末な日本の支援体制も。百のニュースよりこの本を読んだ方がよい。
書くべき人が書いた本。
本書は児童相談所のベテラン児童福祉司による、
児童虐待問題の概要と政策提言の書物です。
児童虐待防止法の2004年改正や直近の国会論議の模様なども収録されており、
また、外部の人間のルポではなく、長年現場に携わった方の主張ゆえ、
冷静かつ誠実、そして非常に説得力があります。

本書の基調をなすのは、
この問題が児童相談所に丸投げされており、
十分な予算や人材の手当て、さらには行政機関たる相談所に加え、
司法による手続の適正の確保が急務であるという切実な訴えです。

同時にあらわになるのは、
格差問題、コミュニティの変貌(と不十分なサポート)という、
今日の我が国に普遍的な論点です。

蛇足ながら、
憲法35条と家庭への立ち入り、行政手続における適正の要請、
親権者の懲戒権といった論点は、
法学部の学生さんなどに有意義な思考の素材を提供していると思います。

最後に。児童相談所の皆様、本当にご苦労様です。