![]() |
現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在... |
| - 岩波書店 価格 ¥ 735 | |
| home|書籍|CD|DVD|ゲーム|ソフトウェア|家電|キッチン|おもちゃ・趣味 |
![]() |
現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来 (岩波新書)岩波書店 価格(new/used): 735 円 / 1 円 より 発売日: (1996-10) アマゾン売上ランキング: 28297 位 - / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 16件 徹底した考察。現代社会の構造を簡潔に示す。「物質消費」から「情報消費」へ。 こういった標語を掲げることは容易であっても、 それを論理的に、誰にでも理解を促す形で、 もしくは誰にでも反論する余地の可能性を含んだ形で、 表現することは容易ではない。 新書であることの意義は何であろうか。 一つには、専門家ではない一般層への啓発を 少なからず含むということが挙げられると思う。 同時に著者は、自身の主張の核心を薄めてしまうほどの平明文は書かない書き手である。 それゆえに、本書は専門書ほどがっちりと体系だってはないが、 新書としては多少難解であるという所に位置することになったように思える。 一章〜三章で現代社会の「光」と「闇」の部分を実証的に論じた後、 四章では、その解決の方向として多少難解な論理が展開される。 だが考察も論理も徹底している。晩年の著作だけに筆力も十分。 これ以上の文を望むのは難しいとは思うが。 本書が現代社会の理論の外部問題を扱ったものであるとすると、 その内部問題を論じたのが続編の『社会学入門』。 著者自身の内部問題を論じたものとしては前作『自我の起原』を読みたい。 消費社会の誘惑を覗き、不安ト恍惚ワレニ。この克服をいかに。第4章「情報化/消費化社会の転回 自立システムの透徹」が、本書の要諦であろう。新書ではあるが、多くの人に理解を得やすいような説明と手放しでは推奨できない論述である。よくよく読まないと上の空になる。 かつて、なかにし礼さんが「あなたならどうする」と詩に書いていたが、あなたなら、豊かな社会に向けた貧困と貨幣(の必要性)、至福に向けた禁欲と喜び(の追求)という「現代社会」の事実に対して、どう感じ、何を考えるだろうか。 情報化社会の効用的、手段主義的な情報のイメージ、消費化社会のマテリアルな消費に依存する幸福のイメージにそれぞれ拘束されていることの現在(p.170)。情報化社会の思想とシステムの正しさの根拠はどこにあるのか、消費化社会の思想とシステムの正しさの根拠はどこにあるのか。現実の彼方にはどのような論理的可能性があるだろうか。これに立ち向かう著作である。 機制(きせい)、不羈(ふき)、モードなどやや古くさい言葉も出てくるのは著者の年齢から言って、読む方で意図を解釈するとしても、転回については著者が幾度も述べ、私たちに訴える中心的な概念となっている。情報のコンセプトについて紹介するならば、成長のあとの成長についての見晴らし(p.163)、自分を踏み抜いてゆくコンセプト(p.165)とある。 著者のいう「価値」についてだが、間々田孝夫『行動理論の再構成』では、「価値については定義されているが、その元になった主観の作用=価値意識については、はっきり定義されていない。価値は欲求という言葉で定義されるが、欲求についても定義らしいものがない」(p.58)という意見があることも知って読んでみてはいかがでしょう。 目次、章節。索引なし。参考文献、各章ごとにあり。最近の岩波新書はひもなし。 あたらしい視点この本は、従来は否定的に語られることの多かった「消費社会」、「情報化社会」の肯定的な一面を描出しており、これからの社会のあり方を考える上で非常に参考になった。著者は「消費社会」にこれまでの資本主義につきまとってきた「矛盾」、つまり「恐慌」とその克服のための「戦争」とを克服する道を見ている。 また、新たな価値を創出する際に、「収奪」という手段ではなく、デザイン等による他からの差異化を用いる「情報化社会」に、資源不足がますます進行するであろう我々の未来への希望を見出している。 本書は現代社会が豊かにはらんでいる〈可能性)を我々に教えてくれるものだ。 骨董的価値「70年代まで」を見事に定量化した力作。それ以降はどうすんですか?とみんなが疑問に思っているうちに著者が退官してしまった。この6〜7年で評価が暴落してしまった感がある。 先見の明、褪せることなく輝く。この本が出版されてから現在までの間には、経済のグローバル化が進展。 日本は「失われた10年」の経済不況を体験し、企業型社会保障がくずれ、若年非正規雇用労働者が拡大してきた。 ますますの少子高齢化が見込まれるという事実もあり、日本の国際社会における地位は確実に低下しつつある。 この先、社会や労働者は、どこを目指せばよいのか、と憂う事態だ。 単純に物を作って売ればいいのは時代遅れ。資源には限界があるという認識がようやく共有されてきた。 それでも人類には捨てることのできない成長志向があるとわたしは思う。 伸ばすべきは、モノではなく、情報の生産性だ。効率的な大量生産品に慣らされてはいけない。 美しさや、個性といった価値へ向かう差異を目指して、成長する意志を手放さないことだ。 本書は、実に10年以上も前から、人々に説いている。この方向にしか、選択肢がないことをー。 |