近代日本思想案内 (岩波文庫 (別冊14...

- 岩波書店 価格 ¥ 735
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近代日本思想案内 (岩波文庫 (別冊14))


岩波書店

価格(new/used): 735 円 / 300 円 より
発売日: (1999-05) アマゾン売上ランキング: 16363 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

わかりやすい手引書
幕末から第二次大戦敗戦までの日本近代思想をコンパクトに概説している。著者自身の考察を展開するのではなく、対象となる思想の内容自体をテーマ別に紹介しているという印象である。テーマとしては、自由民権思想や社会主義などの政治思想だけにとどまらず、民俗思想やフェミニズムもカバーしている。広汎な文献からの引用が豊富なので、記述が具体的で理解しやすいだけでなく、より深く調べたい時の手助けにもなる。
また巻末に付いた索引(人名や論文名)も充実しており、ちょっとした辞書代わりにもなりそうで、読者の目的に応じて便利に使えそうな気がする。
大学や短大の人文系講座でテキストとして利用されることもあるようなので、日本近代史の流れがある程度理解できている人には、手頃な入門書といえるだろう。
幕末維新から戦中戦後までの近代日本思想をバランスよく紹介
思えば黒船来航から原爆投下による敗戦まで、まさに日本は信じられないほど激動の時代を走ってきた。世界に誇るべき成功もあるし、取り返しのつかない失敗もしてきた。本書は日本が開国し、圧倒的な欧米文化受容が開始される幕末から筆を起こし、それを消化すべく、あるいは飲み込まれないために腐心した日本人の思想の営みがバランス良く紹介されている。保守・国粋主義的なもの、自由・国際主義的なもの、富国強兵の天皇制を中心とした天下国家を論じた全体主義的なもの、アイヌ・沖縄・部落・植民地などのマイノリティーの立場に立つもの、そして宗教界や芸術、文学、民俗学に至るまで、「これが正しい」とかいう早急な価値判断をせずに「一貫是々非々」の態度で様々な側面から思想や思潮を分かりやすく解説している。文庫本の分量で、豊かな日本の近代思想の流れが垣間見られる、とても貴重な案内書だと評価できると思う。文章も平易で読みやすい。
近代日本を先入観なく見る、ということ。
明治以降の政治の道筋を眺めたとき、どうしてもある「感情」が先に立ちます。明治維新では多くの「英雄」の言動がまず目につきます。大正モダニズムが「かっこよい」と思われます。昭和は軍部の独走と決め付けられてしまいがちです。

でも、なぜ現在のこのような日本「システム」が出来上がったのか、そこがよくわかりませんでした。「政治が悪い」と多くの国民が思っているのに、なぜそれがまかり通るのか。 そこに明確な視点を与えてくれるのがこの本です。 日本の「近代」全体を先入観なく見せてくれる好著です。