雇用、利子および貨幣の一般理論 下 (3...

間宮 陽介 - 岩波書店 価格 ¥ 735
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雇用、利子および貨幣の一般理論 下 (3) (岩波文庫 白 145-2)

間宮 陽介
岩波書店

価格(new/used): 735 円 / 480 円 より
発売日: (2008-03-14) アマゾン売上ランキング: 12529 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 2件

これぞ、名著!
 ケインズ「一般理論」の新訳という今回のはらはらどきどきの企画、結果的に大正解であった。特に、この(下)巻であの宇沢弘文が解説を書いているのだ。この解説が実にいい。この解説と訳者間宮による「若干の覚書」、これで「一般理論」が現代に通ずる道を開いてくれている。
 (上)巻の間宮による序文に「・・・・・彼の理論もまた決して死んでいない。時代環境に適応できずに自然死したわけではなく、もしも死んでいるように見えるとするならば、それは「殺意」をもって、「殺された」のである。ケインズ理論は、新しい理論によって棄却されたのではなく、新自由主義的世界とそのイデオロギーにとって不都合だから葬り去られたのである・・・・・」という一文に間宮の並々ならぬこの翻訳にかける意気込みが感じられる。
 そして、宇沢の「解題」、決してケインズ賛美ではないところがいい。「イギリスによるインド植民地支配は、人類の長い歴史の中でも、もっとも残忍、冷酷で陰惨をきわめたものの一つであった」と述べ、このことを不問にしてポンドとルピーの為替レートの研究に情熱を注ぐケインズに対して、「つよい違和感を覚える」といっているのだ。
 
 肝心の本文であるが、「一般理論」を読破した事がない者でも、他の一般的なマクロ経済学の教科書でケインズをそこそこ勉強したことがある者にとっては、本書は目からウロコがぼろぼろ落ちる。おくればせながら「ああ、そうだったのか」と納得できる箇所を多々発見することができる。
 そして、なるほど名著とはこういう本のことを言うのだと納得させられる一冊である。
原著を対比させたら間宮訳になる
 「一般理論」の下巻です。後半部分ではケインズが批判の的にしたピグーの「失業の理論」を取り上げています。最後はケインズの社会哲学で纏めて、巻末の宇澤氏の解説で締めくくっています。その解説も非常に丁寧です。塩野谷訳も良いのですが、原典と訳がしっくり来ない部分がありましたが、間宮訳ではこれらが解決されています。間宮氏が上巻で述べているとおり平明な訳文にしたことには大きな意義があります。初学者が手にとっても読みこなせるように配慮されているところが間宮訳の素晴らしいです。残念ながら東洋経済の塩野谷訳ではそうはいきませんでした。塩野谷訳にも親子で手がけた自負があるでしょうが、時代と共に訳は進みます。塩野谷、間宮と2つの訳文が併売されることになります。翻訳が時代と共に良くなるのは明かです。「資本論」も高畠訳、長谷部訳、向坂訳、岡崎訳があり順を追うごとに訳が洗練されています。この「一般理論」もこの様な物と考えれば良いことなのです。東洋経済版と岩波文庫版選ぶのは個人の自由ですが、訳文の正確さ、丁寧さ読みやすさを総合すると間宮訳を強く推薦します。
 今度は「価値と資本」あたりが改訳版が出ると嬉しいのですけど。
一般理論を上下巻読み込んで、ケインズの意図、思想などをこの文庫で十二分に味わって下さい。
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