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寒村自伝 下巻 (3) (岩波文庫 青 ... |
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岩波書店 価格(new/used): -- 円 / 192 円 より 発売日: (1975-01) アマゾン売上ランキング: 666012 位 文庫 / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 2件 圧巻は単身モスクワへ乗り込む赤露行か下巻では京都刑務所を出獄して東京に立ち返り、その後第一次共産党の結成に参加、コミンテルンに創立の報告をするためにシベリア鉄道でモスクワ入りする。日本に戻ってからは意見の対立から共産党再建に加わらず、雑誌「労農」を創刊して独自の社会主義運動を展開するが、昭和12年の人民戦線事件で検挙され活動はほとんど停止する。戦後になって社会党の結成に参加し衆議院議員にも当選するが、そのやり方が気に食わず脱党、孤高を保つ生活に入る。 日本の社会主義運動創成期からの生き残りで、まだ最初の頃はキリスト教の影響が強く残っていたことが上巻での記述からわかる。ロシア革命の影響を受けて第一次共産党を結成、その報告に単身モスクワ入りするが、まだレーニンが病床ながら生きていて革命の理想の炎が残る当時のロシアの様子が貴重。帰国後、路線闘争から内部のゴタゴタがあって自壊していく様子がわかるが、コミンテルンから党の運動資金を預かっておきながらトンズラする仲間の話や刑務所・留置所内の話など当事者にしかわからない話が面白い。 なお、できれば昭和35年に論争社から出版された「寒村自伝」も古書店で購入することを勧める。最後は社会党を脱党するまでしかないが、巻頭に写真がたくさん載っていて、登場人物と時代を知るのにとても有用に思われる。 寒村自伝を読んで荒畑寒村自伝、ゾクゾクする気持ちでページを捲り続けた。それまで、彼の事は名前程度しか知らなかった私。今回は、全く初めての試みで読み進めた。社会主義運動の先駆者荒畑寒村。彼の一途な正義感と同志への友情。それと相反する裏切りと、誹謗中傷。その中で悩み抗した寒村の日々が赤裸々に登場する。革命なんて、ドロドロした人間模様の中で、苦しみもがくものだと、彼は私に語りかけているような気がしてくる。 ところで、私には、ただ単なる読書以上に、気になる事があった。それは、私の叔父所蔵の葉書が、(それも五十年以上前のもの)出てきたからだ。 親から聞いた話とも符合する寒村秘話。子供心に、よく親から聞かされた話は、特高警察の捜査に慌ただしく行動した叔父。叔父の蔵書を授かった我が家。寒村さんからの謎めいた葉書は、叔父宛名のもの。消印は昭和三年。文面から、若き日の叔父と寒村さんの交友ぶりが偲ばれるものだ。この葉書は叔父の蔵書に挟まっていたのだと、推察した。 そんな夢物語が、突然現実のものになって見つかったのだ。このやや秘密めいた葉書が、回り回って私のところにある不思議さ。その葉書に寒村が、詩が出来たと、その題名と共に、友人の名前など、書き連ねている。 今、叔父も、私の親も、すでに世にはない。寒村さんの自伝には、昭和三年の項も登場している。激動の時代。先ずは、拾い読みだが、一気に上下巻に目を通した私だった。 |