寒村自伝 上巻 (1) (岩波文庫 青 ...

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寒村自伝 上巻 (1) (岩波文庫 青 137-1)


岩波書店

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発売日: (1975-01) アマゾン売上ランキング: 595006 位
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貴重な世相史でもある
日本の社会主義運動の草分け的存在の著者が昭和50年、満88歳のときに出版した自伝。上巻ではその生い立ちから社会主義運動への加担、大逆事件を経て関西で活動を開始するまでを描く。17歳で社会主義協会に入会しその後横浜に平民結社を結成、平民新聞の販売から次第に社会主義運動に加わる。平民社解散後、紀州田辺の「牟婁新報」記者として文筆業を糧とする生活を始め、上京後幸徳秋水や堺利彦の「平民新聞」の編集に携わる。
明治41年に赤旗事件で検挙され入獄、その間に大逆事件で師に当たる幸徳秋水や内妻の菅野須賀子らが逮捕起訴され死刑となった。出獄後、消えかけた社会主義運動を「近代思想」の創刊から再出発させ、労働組合運動と社会主義運動の緊密化を図るために関西で活動を始めるようになる。

この本は社会主義運動もさることながら、当時の世相や生活実態も詳しく描かれていて興味深い。意外だったのは著者が東北をめざして社会主義の本や雑誌などを赤い箱車に積んで売り歩く伝道行商を明治38年著者18歳のときに行ったのだが、買うのは学校、教会、寺院、医者、弁護士など地方の知識人だけでなく小間物屋の主人や警察署長が買ったりしている。売れた本の数も書かれていて結構買われていたこともわかる。