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ロボット (岩波文庫)
千野 栄一
岩波書店
価格(new/used):
588 円 /
133 円 より
発売日:
(2003-03-14)
アマゾン売上ランキング:
68428 位 文庫 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0
/ 総数: 10件
ロボット・・・ここより始まる
全てのサイバーSFの始まりの作品。
90年近い昔のヨーロッパの片隅で
有機化合物の人工生命体を量産する話が考えられたのが脅威的。
そして感情を持たされたロボットの反乱、その後の人類の殺戮
大いなる破壊の末の新人類の誕生。
正直言って今のサイバーパンクものの全ての要素が詰まっている作品です。
(一番近いSF作品はなんとブレードランナーだったりする!!)
戯曲=シナリオとしての本で読みやすく、出来事の解釈は読者に任せられています。
このレビューに興味をもたれた方は是非一読してみてください、お勧めです!!
ロボットの名付け親
ロボットという言葉は、チェコ語の"robota"(賦役)からチャペックの兄が考え出した。チャペックは、このロボットという言葉を1920年にこの本で最初に使ったが、これが戯曲だった事にまず驚く。ここでのロボットは、現在の無機物としてのロボットではなく、血肉を持った有機物としての人造人間のことであった。非常に恐ろしく、気色の悪い戯曲である。意識をもったロボットが反乱を起こし、最後の一人になった人間は・・・・
「山椒魚戦争」と合わせて読むとよりチャペックが好きになる。
ロボットという言葉は、このシナリオからだそうです。なんか切ない気持ちになりました。時代背景も少し勉強しました。
5★20世紀生まれはノストラにびびる前にこの本を読むべきだった
マジで震えた。恐怖した。感動した。手塚治虫やアシモフの感動が霞むほどだった。いや治虫が天才だという事に異論は無い。紙芝居だったマンガを映画に近づけたのは彼の功績だ。アシモフ三原則の先見性を否定できる者も未だいない。でも、このチャペックは別格。なんせ石炭くさい19世紀生まれなのに、「ロボット(労働」を造語したこの想像力には脱帽だ。いや脱毛もんだよ、コレは。だってアシモフが生まれた1920年に、この作品を発表してるんだから。ラングの「メトロポリス」1926(サイレント映画)やチャップリン「モダンタイムズ」1938も二番煎じだ。
労働は人間の本質なんだなと、再認識した。そりゃ誰だって金持になって好きな夢みてたいよ。けど労働から逃げる=人生からの逃避にみえた。やはり汗かくからビールが旨いんだ。金持が客観能力を失って変人化するのは、よくある例だ。有名シンガーだったり独裁者、古代の皇后とか。
労働解放?ユートピアだな。人間はそれを追い続ける存在だろ?その目標を失ったらもう人間じゃない。ただのナマケモノ抜け殻だ。「ロボットが何もかもやってくれるのです。主人は起き上がる必要も無く、食事もまっすぐ口に押し込んでくれる。」って老人介護かよ?と思った。朝の着替えもロボットに「こっちへ来てボタンをかけて!」幼児か?と。コイツら、もう人間やめてるな、と思った。動けるのに動かないのと、動けないのとは、意味が全く違う。ユートピアの原義は存在しない地だ。死んでから逝くべき地だろ。生きてるって事は、つまり新陳代謝してるって事だ。同じ目標を共有できるからこそ、人間は愛情を生み出せたんだろ?
PS●哲学が必要だ。科学の進歩に哲学が遅れをとってるから。チェルノブイリが悲劇になる。←今日でちょうど20周年だが。水俣やアスベストはもうウンザリだ。18世紀生まれは言った「生きるとは、呼吸することでは無い、行為することだ」ルソー
『いつか私の時代が来る。』
チェコからは、時に前衛的な人が現れる。古くはヤン・フスであり、19世紀以降で見ても、アルフォンス・ミュシャやフランツ・カフカ等数多い。先の大統領ヴァーツラフ・ハヴェルも劇作家出身なので、前衛とは言えぬまでも、異色である。このような文化的系譜の中に、本作を記したカレル・チャペク(1890-1938)も属している。
チャペクは、カレル大学哲学科を卒業後、ジャーナリストとなり、文筆活動(戯曲、随筆、SF、児童文学等)に入った。本作は戯曲、それも「逆ユートピア的戯曲」であると思う。「逆ユートピア」と聞くと、ジョージ・オーウェル「1984年」を思い起こす方もいるだろうが、本作は、あれほど重苦しい空気に満たされてはいない。
設定に触れる最短ルートは、――以後ポピュラーになった――「ロボット」という語の語源について、述べるのが良いと思われる。『チェコ語には「賦役」を意味するrobota(ロボタ)』(p206)という語があった。これを作者が改変し、「ロボット」となった訳である。だから、「賦役」そして「労働」についての話が繰り広げられていることが察せられる。そして、その担い手こそが本題である。筋については、文学作品なので、小生言及を控えておきます。
本作は、200ページ弱という分量と15名の登場人物で仕立てられている。膨大な量と、多数の設定人物で組まれてはいないので、戯曲に縁遠い方でも、余り負担とならないのではないだろうか。和訳もとても良く、そしてあとがきも良い。
本作の持つ意義の広がりは、手にする方それぞれによって大きく、また多面的に広がると思う。小生は冒頭に掲げた寸評の言葉を思い出した。奇しくも、ボヘミア出身の作曲家グスタフ・マーラー(1860-1911)が言ったとされる言葉である。
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