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或る少女の死まで―他二篇 (岩波文庫) |
| - 岩波書店 価格 ¥ 630 | |
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或る少女の死まで―他二篇 (岩波文庫)岩波書店 価格(new/used): 630 円 / 1 円 より 発売日: (2003-11) アマゾン売上ランキング: 88158 位 文庫 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 3件 女性礼讃。この本には、室生犀星の自伝的小説三編が収録されているが、 その三つに共通しているのが女性への憧憬である。 「幼年時代」では実の母と義姉への愛慕、「性に目覚める頃」では自身の女性への肉欲との葛藤、 「或る少女の死まで」では、主人公と二人の異なる少女の触れ合いと別れが描かれている。 どれも女性美を称え、また愛する女性との別れを嘆くものであるが、その形式はかなり異なる。 第一作では主に肉親としての女性への愛、第二作では思春期の主人公の女性に対する性的興味と恋愛感情、 第三作では少女に対する、可愛らしいものを愛するときの純粋な気持ちが描かれている。 一応三編とも別作品であるが、主人公の女性観の発展と成熟の過程とみることもできよう。 それを意識して読むと、なおよいと思う。 人はみな、孤独を抱えて生きている。・とめどない母親や姉への愛おしさが、全編を貫いている。「惜しみない愛に包まれたい」、心の深奥からの叫びが、其処彼処から溢れてくる。読むほどに切なく、生を与えた親への素朴な思いが、一語一句から湧き出てくる。その乾いた孤独を先生からわかってもらえず、反抗を貫く。一途なまでの少年の思いが、いじらしい。犀星の生い立ちのこういった重さが、満たされなさが、リリシズムに溢れた、読み手の琴線に響く作風を生んだのでなかろうか?嫁いだ姉の家を訪れる心、残された教室で罰を受けながら屋根瓦を数える寂寥感。私たちの根幹に潜在する孤独な魂を、犀星は鮮やかに描き出した。その寂しさを慰撫しあいながら、人間は生きていかざるを得ない。人間存在の根本テーマを、自らの足跡の中にどっしりと書き綴った。幼い頃から静かな孤独を引き受けざるを得なかった犀星の、心の雫が伝わってくる佳品です。 繊細な文章非常に繊細な表現で少年の成長とともにその周囲の人間との関わりを描く。タイトルの「或る少女の死まで」では、作家修行中の主人公が泊まる宿の隣に住む家族の少女が死ぬという所で物語が終了するが、最後に彼女に宛てた悼詩が紹介されるがそれがとても切ない。その他、「性に目覚めるころ」では、主人公が恋心を寄せる少女の赤い着物が寺の境内に映える姿が印象的であったり、「幼年時代」での腹違いの姉へ向けられら淡い愛情が切ない。 |