憲法九条はなぜ制定されたか (岩波ブック...

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憲法九条はなぜ制定されたか (岩波ブックレット)


岩波書店

価格(new/used): 504 円 / 302 円 より
発売日: (2006-04) アマゾン売上ランキング: 188342 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 2件

天皇制と憲法9条と
わたしたちが今の時点から憲法問題を考えるとき、それは「戦後的帰結」という視点から捉えます。日本国憲法が制定されて以来、戦後改革、日米安保の制定と反対運動、高度成長、そして現在の改憲の動きと、陸続とある政治過程のなかで、憲法9条をめぐる社会意識は大きく変わってきました。そもそも、憲法9条はなぜ制定されたのか?古関氏によると、憲法9条を成り立しめたのは、ひとつには、昭和天皇の戦争責任問題でした。古関氏によると憲法9条の事実上の「発案者」であるマッカーサーにとって、守るべきものは「象徴」天皇制であり、天皇に対する被害諸国の非難や責任追及の声を避け、「日本−天皇」自らが、積極的に平和と人権を尊重する宣言=憲法を打ち出すことが必要でした。昭和天皇を戦犯から除外することが第一の目的でした。実際、憲法を審議した帝国議会では、憲法9条が持つ意義について真摯な議論も、アジアにどのような加害を与えたのかという議論も、まったくありませんでした。そして、当初から沖縄は、戦後憲法体制から除外されていました。憲法9条は天皇制条項とともにアメリカから「押しつけられ」、その過程で軍事を沖縄に「押しつけ」たのです。「戦後的帰結」という視点からすると、そのあまりの隔たりに驚かされます。しかしそれは、制定「後」の闘いや運動によって与えられた「実質」がいかに大きなものであったかをも浮き彫りにします。ちょうど自由を約束した米国憲法が、制定時には黒人奴隷制とセットであったように。
 そして、その原点においても「二度と戦争はしない」という誓いが込められているということを古関氏は強調します。日本が国際社会に復帰する最低条件であった、古関氏はこれを「パスポート」といいます。憲法9条を捨てることは、このパスポートを破り捨てること、それは今の「靖国問題」に象徴される状況のなかで、リアルに浮かび上がっています。
この時期にどの立場の人も読んでおくほうがいい
憲法記念日も近いこの時期、改憲賛成派・反対派の両方とも、ちゃんと読んでおいたほうがいいと思われる一冊。このブックレットからは、もう一度、現行の日本国憲法、特に争点になっている憲法9条がどのような理由・経過で制定されたのか、両方ともちゃんと理解した上で議論しなおす必要があると感じた。