ロバート・キャパ スペイン内戦

Robert Capa - 岩波書店 価格
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ロバート・キャパ スペイン内戦

Robert Capa
岩波書店

価格(new/used): -- 円 / 27,999 円 より
発売日: (2000-01) アマゾン売上ランキング: 605692 位
大型本 / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 2件

溜息の出る写真集
 ピカソの大作「ゲルニカ」を所蔵するマドリッドのレイナ・ソフィア国立美術館で99年にキャパのスペイン内戦写真展が開かれたことを記念して出版されたのが本書です。
 今年はキャパ没後50年にあたりますが、彼の本書の写真を眺めていて、ただただ溜息が出ました。

 溜息の原因は大別して二つあります。

 一つは、国を割った闘いで多くの人々が傷つき斃れていった戦争のむごさが膨大なモノクロ写真の中に落とし込まれているからです。まだあどけない少年がアナキスト民兵部隊の軍帽をかぶっている姿や、大量の家財道具とともに国を捨ててフランス国境へ向かう家族の姿、そして冬の荒野にムクロとなって横たわる3人の兵士の姿は大変痛ましいものです。

 いま一つには、スペイン内戦がどちら側の勝利で終結し、その後30年以上もフランコが独裁者としてイベリア半島に君臨し続けるという史実を私自身が既に知っているからです。ユダヤ系で反ファシズムの立場を鮮明にしていたキャパですから、本書にまとめられた彼の写真はどれも共和国軍側を捉えたものです。大義のために命を賭して戦ったこれら被写体の兵士や市民たちですが、彼らは結局のところ敗者の立場へと追い込まれていくのです。さらには左派陣営内部にもイデオロギー上の対立が生まれ、内戦の中の内戦すら生まれていきます。そうした後付けの知識を持ってこの写真集を眺めると、勝利と平和を信じて銃を取った彼ら左翼人たちの末路に思いが至り、嘆息を押し留めることが大変難しく感じられるのです。

 キャパ自身も最愛の女性ゲルダ・タローをこの内戦の地で亡くしています。内戦勃発直前の時期に仲睦まじく微笑む二人を撮った写真が10頁に掲げられていますが、秋の陽光に照らされる若い二人のこの写真は微笑ましくも痛ましい作品です。

圧巻
Capaの写真は、「報道」という真実を伝えなければならない、というだけではなく、戦場の中の「人」という面に焦点が当てられているように感じます。